齋藤孝氏の心に響く言葉より…
帝国ホテルの総料理長から料理顧問までつとめた料理人の村上信夫さんは著書『帝国ホテル厨房物語』(日経ビジネス人文庫)で幸運のとらえ方についてふれています。
戦場で負傷し、病院に運ばれた時、負傷した同僚は「こんな怪我をして自分は不幸だ」と嘆いていました。
しかし村上さんはむしろ自分は運がいいと思い、軍医に次のように話しています。
「自分は幸運でありました。少し弾がずれれば死んでいたかもしれません。でも、生きている。運がいいと思います」と言ったら、「おまえ、いいこと言うなあ」とほめられた。
この人は、自分の運命をひじょうに素直に受け入れています。
「転身のきっかけは、いつも人の縁だった」と言っていて、「ここがいいぞ」と人から勧められると素直に従います。
帝国ホテルの厨房で働くようになったのも、ひょうたんから駒のように人から勧められたのがきっかけでした。
村上さんのように、素直に人の縁で動いていく人がいます。
あまり深く考えないで流れにまかすのですが、下手に自分で泳ごうとしないほうが溺れないですむのかもしれません。
昔は結婚もみな「縁」で決まりました。
「縁」だということで動いていても、それなりにチャンスがつかめます。
必ずしも自分の考えや意志で動くのではなく、人と人との縁や偶然でつながりながら経験知を高めていくやり方もあると思います。
結婚も同じです。
自分を好きだと言ってくれる人がいれば、それはひとつの機会です。
この人と結婚してうまくいくのかとか、親はどんな人たちなんだろうなど、いろいろ深く考えてしまうと二の足を踏んでしまい、婚期を逸してしまうこともあります。
あまり深く考えずに、機会としてとらえていく身軽さがあると、いいのではないでしょうか。
要するに、深く考えすぎて結局行動しないよりは、来た船に乗ってしまうほうがいいのです。
受験生が第一志望の大学に行きたいと思っていたのに、第二志望の大学に来てしまったとします。
その時感じる挫折やコンプレックスなどいろいろあることでしょう。
でも入学した大学という船に乗ったのですから、その場所で活躍しようと思えばいいわけです。
何事にも「その時来た船」があります。
「好き」という感情から出発しないで、 結婚相手を年収や学歴、身長、健康状態などさまざまな条件をあてはめて選ぶのであれば、かえって選択ができにくくなってしまいます。
そうではなくて、もっとトータルに「縁」というものをきっかけにして気軽にとらえて いくのが、「運」がいい人になるコツなのではないでしょうか。
『運の教科書: 「うまくいく人」はこう考える (単行本)』筑摩書房
小林正観さんは「日々の暮らしを楽にする/Gakken」の中で、こんなことを言っている。
「宇宙の仕組みは、どうも裏返し構造、二重構造になっているみたいだということがわかってきました。
何か意気込んでやろうとしている人ほど、どうも宇宙が味方しないようです。
反対に、執着がない人ほど、宇宙が味方をしたくなるようなのです」
縁を大事にして生きていく生き方と同じだ。
頼まれた仕事やボランティア、役職などを文句を言わずにニッコリと引き受ける。
すると次から次へと色々な「頼まれごと」がやってくる。
自分の事情や、好み、夢などを言わず、ただひたすら淡々と引き受ける。
執着せず、深く考えず、その時の流れに乗る。
これは、自分が凡人だと自覚している人ほど、必要な生き方だ。
自分に能力や才能があり、自分の力で世の中をバリバリと切り開いていくタイプだと思うなら必要ないだろう。
ただひたすら「頼まれごと」をニコニコしながら引き受けていると、自分が思ってもみない、とんでもないところに行けることがある。
それが、「その時来た船に乗る」ということ。
運の教科書: 「うまくいく人」はこう考える (単行本)
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